DiFluid Omni完全ガイド
パート1:本体
Omniは、粉の粒度と焙煎色度の両方を、分布全体で測定します。以下では、信頼できる測定値の取り方と、その測定値をCoffeeOSで最大限に活かす方法を説明します。

同梱品
Omni本体 × 1
粒度分析ベース × 1
焙煎分析ディッシュ × 1
トレイ × 1
校正プレート × 1
USB-C充電ケーブル × 1
コーヒースプーン × 1
粉用スプーン × 1
スクレーパー × 1
ブラシ × 1
ベルベット袋 × 1
保護フィルム × 1
ツールボックス × 1
検査報告書 × 1
取扱説明書(保証書付き) × 1

各部の名称

タッチスクリーン:本体の前面全体。待機中はREADYと表示され、測定の手順を案内します。焙煎色度、粒度、校正、設定の各画面の切り替えもここで行います。
ボタン:画面の下にある唯一の操作ボタン。電源のオン・オフと、測定の開始に使います。
トレイシステムは、3つのパーツで構成されています。

粒度分析ベース:USB-Cポートと磁気コネクタを備えた四角いベース。本体と電気的に接続され、本体をはめ込むとOmniが粒度測定に切り替わります。本体を取り付けた状態でベースを電源につなぐと、Omniはこのベースを通して充電されます。
焙煎分析ディッシュ:焙煎色度用のリバーシブルのディッシュ。深い側にはホールビーンを、裏返した浅い側には粉を入れます。
トレイ:焙煎分析ディッシュを置く四角いトレイ。サンプルの準備中にこぼれた豆や粉を受け止めます。
モードの決まり方。粒度分析ベースを取り付けると、Omniは粒度分析を行います。ベースが電気的に接続され、粒度測定を行うよう本体に伝えるためです。ベースを接続していないときは、Omniは常に焙煎色度の測定になり、サンプルがホールビーンか粉かを自動で判別します。
ボタン操作
| 操作 | 動作 |
|---|---|
| 1回押す(電源オフ時) | 電源が入ります。画面にREADYと表示されれば、起動は完了です。 |
| 1回タップ(電源オン時) | 測定します。ホーム画面で画面をタップするのと同じです。 |
| 素早くタップしてから長押し | 焙煎色度の校正ページが開きます。2回目を押したまま保持するダブルクリックのように、素早く操作します。 |
| 2回タップ | 本体情報を表示します。 |
| 長押し | 電源が切れます。「Power Off」と表示されるまで押し続け、表示されたら離します。 |
画面の操作
READYがホーム画面です。この画面でタップすると、Omniが状況に応じて焙煎色度か粒度かを判断し、測定します。
- ホーム画面で右へスワイプすると、メニュー(Roast、Particle、Calibration、Settings)が開きます。いずれかを選べば、本体の判断に任せず、その測定を直接行えます。
- ホーム画面で左へスワイプすると、直近の焙煎色度の結果が表示されます。もう一度左へスワイプすると、直近の粒度の結果です。どちらの画面でも、下へスワイプすると履歴全体が開きます。
- どのサブページでも、右へスワイプすると1つ上の階層に戻ります。
充電
電源は粒度分析ベースから供給されます。本体をベースに取り付け、ベース側面のポートにUSB-Cケーブルを挿します。充電中にOmniの電源を入れると、DiFluidの画面に続いて充電ページが表示されます。READYに戻るには、もう一度ボタンを押します。2500 mAhバッテリーを搭載しているので、フル充電で長時間の測定が可能です。
校正
校正は、既知の基準に対して色の測定値をそろえる作業です。Omniには、その本体に合わせた専用の校正プレートが付属しています。ほかの本体とプレートを交換しないでください。始める前に、プレートの保護カバーを外します。


- 校正プレートの保護カバーを外します。
- 電源を入れ、本体をプレートの上に置きます。
- 右へスワイプしてメニューを開き、Calibrationをタップします。ボタンを素早くタップしてから長押ししても開始できます。完了すると、画面に「Success」と表示されます。
プレートをなくしたら?プレートは本体ごとに固有なので、汎用品は使えません。カスタマーサービスに連絡し、お使いのOmniに合った交換品を注文してください。
焙煎色度を測る
焙煎色度は、ベースを外した状態で、焙煎分析ディッシュを使って測定します。Omniは近赤外光で豆を撮影し、平均Agtron値と分布、さらに選んだ基準による焙煎度の名称を表示します。同じコーヒーのホールビーンと粉をCoffeeOSで測定すると、焙煎デルタ、つまり豆の表面から内部へどれだけ均一に焙煎が進んだかがわかります。焙煎色度についてさらに詳しくは、こちらをご覧ください。

ホールビーンには、焙煎分析ディッシュの深い側を使います。豆を入れ、縁に沿ってスクレーパーを引き、豆ができるだけ平らになるようにします。平らで隙間なく満たされた表面が、測定の再現性を保ちます。

電源を入れ、焙煎分析ディッシュの上に本体を置いて画面をタップするか、右へスワイプしてRoastをタップします。結果には、平均Agtron値、対応する焙煎基準、サンプル全体の分布が表示されます。

焙煎分析ディッシュを裏返して浅い側にし、同じコーヒーの粉を入れて平らにし、もう一度測定します。これで、比較する2つの数値がそろいます。
結果ページには、1つの画面に多くの情報が詰まっています。各部分が示す内容は次のとおりです。

平均値:サンプル全体を代表する、メインのAgtron値。低いほど深煎りです。CoffeeOSで焙煎色度をインポートするときに取り込まれるのは、この数値です。
標準偏差:サンプルが平均値の周りにどれだけまとまっているか。小さいほど焙煎が均一で、大きければ豆ごとに焙煎のむらがあります。
焙煎基準の名称:下の表を使ってAgtron値から直接決まります(フルシティロースト、シティローストなど)。数値でも名称でも話ができます。
粒度を測る
粒度は、粒度分析ベースで測定します。粉を中央に入れると、Omniが粉を広げて撮影し、粒度分布を算出します。付属の1/64ティースプーンは目安で、正確な分量ではありません。使う量は挽き目によって変わるので、一定の線まで入れるのではなく、結果を見ながら調整してください。入れすぎは禁物です。微粉が多いときは、粒子が広がる余地ができるよう少なめにします。粒子が大きければ多めでもかまいません。自動分散で一部が端に押しやられても、均一で読み取れる層になるからです。非常に粗い挽き目では、大きな粒がたまたまスプーンにいくつ入るかで決まります。いずれにしても、コーヒーが多すぎると細かい粒子が埋もれ、測定値がゆがみます。


粉用スプーンで、粒度分析ベースの中央に粉を入れます。量は上で説明したとおり挽き目に合わせます。微粉が多いときは少なめ、粗挽きなら少し多めにし、山盛りにはしないでください。

磁気ポートが合うように本体をベースにのせ、画面をタップするか、右へスワイプしてParticleをタップします。ベースが振動し、粉を均一な層に広げます。ブラシを使って手作業で粉を広げた場合、自動分散機能は作動しません。

Omniは、D50(中央値)、該当する挽き目の基準、粒子数、分布全体を表示します。より詳しい情報はCoffeeOSで確認できます。
自動分散のしくみ。 1回の測定は、実は複数回の撮影でできています。Omniはベースを振動させて何度か粉を撮影し、粒子数が最も多いフレームを結果にします。振動で中央の塊が均一で読み取れる層に広がり、その最良のフレームが残ります。粉がすでに広がっているように見える場合は、意図的に分散させたものとみなし、振動させずに測定します。設定で自動分散をオフにして、手作業だけで分散させることもできます。
そのため、触れていない同じサンプルをすぐに測り直すと、値が少し低く出ることがあります。粉は前回の振動ですでに最も分散した状態にあるので、さらに振動させると粒子が端やフレームの外へ押し出され、数えられる粒子が減ります。これはエラーではなく、フレームが違うだけです。1回の測定を最終結果とせず、1つのサンプルで何度か測定し、1つの数値ではなくCoffeeOSの平均値を使ってください。

自動分散が挽き目に合わないとき。非常に粗い挽き目では、振動で大きな粒子が縁まで飛ばされて数えられなくなり、実際よりはるかに細かく測定されることがあります。粒子を中央に戻すと、平均値が跳ね上がります。ここには唯一の正解はありません。だからこそ、何度か測定し、1つの測定値を信頼する前に、測っている挽き目に自動分散が本当に合っているかを確認してください。


D50:粒子径の中央値(ミクロン単位)。粉の半分がこれより細かく、半分が粗くなります。CoffeeOSが粒度としてインポートするのは、この数値です。
標準偏差:挽き目のばらつき。小さいほど均一な挽き目で、ふつうは(必ずではありませんが)それが目指すところです。
焙煎と挽き目の基準
Omniは、数値と基準の名称の両方を表示します。使われている表は次のとおりなので、どちらの形でも結果を読めます。
焙煎色度(Agtron)
| Agtron値 | 一般的な名称 | SCA |
|---|---|---|
| 0 – 30 | エスプレッソロースト | ベリーダーク |
| 30 – 40 | フレンチロースト | ダーク |
| 40 – 50 | フルシティロースト | ミディアムダーク |
| 50 – 60 | シティロースト | ミディアム |
| 60 – 70 | ダークロースト | ミディアムライト |
| 70 – 80 | ミディアムロースト | ライト |
| 80 – 90 | シナモンロースト | ベリーライト |
| 90 – 150 | ライトロースト | エクストラライト |
粒度(D50)
| 粒子径 | 挽き目 |
|---|---|
| 100 – 500 µm | 細挽き |
| 500 – 800 µm | 中細挽き |
| 800 – 1100 µm | 中挽き |
| 1100 – 1400 µm | 中粗挽き |
| 1400 – 2500 µm | 粗挽き |
ふるいの対照表
| ISO目開き(µm) | ASTMふるい | 米国式ふるい |
|---|---|---|
| 300 | 50 | 48 |
| 425 | 40 | 35 |
| 600 | 30 | 28 |
| 850 | 20 | 20 |
| 1180 | 16 | 14 |
| 1400 | 14 | 12 |
| 1700 | 12 | 10 |
| 2360 | 8 | 8 |
Omniの仕様
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 種類 | プロ向け焙煎色度・粒度アナライザー(2-in-1) |
| サイズ(長さ × 幅 × 高さ) | 109 × 79 × 72 mm |
| 重量(本体) | 290 g |
| 画面 | 2.8インチHDタッチスクリーン |
| バッテリー | 2500 mAh充電式リチウム電池 |
| 光源(焙煎色度) | マルチバンド近赤外線(850 nm、940 nm) |
| 光学センサー | 2次元イメージセンサー |
| データ記録件数 | 焙煎分析500件、粒度分析500件 |
| 動作温度範囲 | 0 – 45°C |
| 充電ポート | USB-C |
| 充電 | 5V、1A |
パート2:CoffeeOSでのOmni
測定値はOmni本体の画面でもその場では役立ちますが、分析や長期的なデータ管理にはCoffeeOSを使いましょう。Omniは、焙煎度アナライザー、パーティクルアナライザー、ブリューレコーダー、ブリューコントローラー、グラインダーマネージャーで使えます。Omniのデータは、焙煎色度や粒度を入力するレシピや項目に、そのまま取り込めます。このパートでは、CoffeeOSでOmniを効果的に使うために必要なことをすべて説明します。
Omniのペアリング
Omniの電源は、CoffeeOSの「ツール」タブを開いた状態で入れます。接続の案内が表示されたら、「接続」をタップします。すでにツールを開いている場合は、メニュー(右上の3つの点)からデバイスセンターを開き、Omniを選んで接続します。ペアリングが済むと、Omniがホーム画面の最上段に表示され、ハードウェア設定をすぐに開けます。
測定値を取り込む2つの方法
CoffeeOSで焙煎色度や粒度を入力する項目には、すべてOmniからリアルタイムの測定値を取り込めます。アナライザー全体(たとえばパーティクルアナライザー)を開いて複数サンプルの平均を出し、それをテキスト項目にインポートすることもできます。

焙煎色値は、名称でも数値でも入力できます。「焙煎度の名称」(シティロースト)でも「Agtron値」でも、慣れているほうで入力します。「抽出から入力」を使えば以前の抽出から値をインポートできるので、測定済みのコーヒーを測り直す必要はありません。
Omniで焙煎色値を入力する
「焙煎色値」の項目をタップし、「Agtron値」を選びます。テンキーが開き、数字の下に2つのアイコンが表示されます。デバイスインポートのアイコンはOmniに接続し、Omniからリアルタイムの測定値を直接取り込みます。デバイスインポートのアイコンをタップすると、アイコンが緑の枠で強調表示されるか、Omniが未接続の場合はデバイスセンターが開きます。焙煎度アナライザーのアイコンをタップするとツールが開き、複数のサンプルを測定して平均値をインポートできます。

1回のリアルタイム取り込みは最も速く、簡単なチェックには十分です。アナライザーを経由すると、複数回の測定の平均がインポートされ、すべての測定が記録に残るので、より正確になります。
Omniで粒度を入力する
粒度も同じ要領です。デバイスインポートのアイコンは1回の測定からOmniのD50を取り込み、アナライザーのアイコンは複数サンプル用にパーティクルアナライザーを開きます。どちらの場合も、値はミクロン単位のD50として入力されます。
焙煎度アナライザー
焙煎度アナライザーは、1つの豆サンプルの1つのセッションで、ホールビーンの測定と粉の測定をそれぞれ多数平均し、比較します。焙煎がどう進んだかを理解するためのツールです。



焙煎デルタ:ホールビーンの平均Agtron値から、粉の平均Agtron値を引いた値。粉はふつう明るめに出ます。熱が届くのが遅い、豆の内部を見ているからです。
ピークシフト:粉の分布のピークが、ホールビーンの分布のピークからどれだけ離れているか。シフトが大きければ、焙煎にむらがあることを示します(必ずしも悪いことではありません!)。
均一性デルタ:2つのばらつきの差。豆ごとの焙煎の均一さを、別の角度から示します。
各測定には、自動検出または手動で、ホールビーンか粉かのタグが付き、個々の測定を詳しく見ることもできます。一方の分布で範囲(たとえば90〜100 Agtron)を選ぶと、もう一方でも同じ範囲が強調表示されるので、簡単に比較できます。

パーティクルアナライザー
パーティクルアナライザーのセッションには好きなだけ測定を入れられ、各測定でD10、D50、D90、最頻値、平均値、標準偏差、ふるいごとの内訳、分布グラフが表示されます。1つの測定を選ぶとその測定のデータが、選択を解除するとすべての測定の平均が表示されます。


ふるいを設定する。ふるいセットは、ツールの設定で編集できます。ASTMやISOのサイズを自由に組み合わせて追加し、内訳を自分が使う規格に合わせられます。


Omniが手元にない?左へスワイプしてカメラモードにし、Particle Analysis Coasterを使えば、本体なしで写真から分布を測定できます。
グラインダーの登録と校正
Omniは、グラインダーマネージャーのミクロン単位の入力欄にも値を入力できます。グラインダーを登録するときは、最も細かい設定、中間の設定、最も粗い設定を、それぞれ測定した粒度と組み合わせて入力します。その値はどれもOmniからリアルタイムで取り込めます。同じ設定を時間をおいて測り直せば、グラインダーマネージャーがその個体のずれを追跡します。
詳しい手順は、ガイド「グラインダーマネージャーでグラインダーを設定する」をご覧ください。
測定値の保存先
ツールコントローラーの「豆を紐付ける」で豆をセッションに紐づけると、すべてのセッションがその豆の下に保存されます。


ビーンインサイトは、セッションをツールごとのフォルダにまとめます。焙煎色度の測定セッションは「焙煎色度分析」フォルダに、最新の粒度分析セッションは「粒度分析」フォルダに、それぞれ件数付きで入ります。その豆の保存済みレシピは「選択したレシピ」の下にあり、タップひとつでもう一度抽出できます。

これらはすべて、CoffeeOSのほかのものと同じ方法で共有できます。共有をタップすると、QRコードとリンクで、豆と、選んだ測定値を、CoffeeOSを使っているほかの人に送れます。