グラインダーマネージャーでグラインダーを設定する

実例:Kinu M68

パート1:グラインダーの仕様を登録する

まず、グラインダーのダイヤルがどう刻まれているかを入力します。数字、クリック、回転の有無を登録すると、CoffeeOSで各設定の位置を割り出せるようになります。

最初に押さえる3つの用語

  • 数字:ひとつ刻みの大きな目盛りで、グラインダー本体に印字されている数字です。数字だけのグラインダーもあります。
  • クリック:数字と数字の間にある線、または細かな刻みです。設定は1クリックずつ進むので、クリックの総数はポジションの総数と同じになります。ツールにクリック数を入力すると、対応する設定(何回転・何数字か)が計算され、その設定に移動します。
  • 回転:ダイヤルが最後の数字を越えて、さらに回り続けるかどうかです。ダイヤルがストッパーで止まり、一周して戻ってこない場合は回転がなく、各設定は「数字」と「クリック」の2つで表します。3つすべてを使うグラインダーもあります。
数字、クリック、開始番号、最大の数字を書き込んだKinu M68のダイヤル
Kinu M68のダイヤル。大きな数字、その間のクリックの線、目盛りの始まり、表示されている最大の数字。

1. グラインダーを作成または選択する

  • グラインダーマネージャーを開きます
  • 上部のメニューをタップします
  • 「テンプレート」または「空のグラインダー」を選びます
  • お使いのグラインダーがCoffeeOSにすでに登録されている場合は、「テンプレート」から選択します
  • 登録されていない場合は、「空のグラインダー」をタップします
「空のグラインダー」がハイライトされたグラインダーマネージャーのメニュー
メニューを開き、「空のグラインダー」を選んで新しい機種を作成します。

グラインダーマネージャーには、同じ機種のグラインダーを複数登録できます。ここで設定するのは、新しいグラインダーの機種です。1台ずつの名前はあとで付けます。この例では、Kinu M68を追加します。

  • グラインダーの機種名を入力します
  • 例:Kinu M68
グラインダーの機種名をKinuM68と入力
グラインダーの機種名を付けます。

この名前は機種を指すもので、手元にある特定の1台を指すものではありません。1台ごとの名前(例:Kinu M68 店舗用、Kinu M68 自宅用)は、あとから付けられます。

2. 数字の振り方を設定する

  • 目盛りが0から始まるか、1から始まるかを選びます
  • この例では0から始まります
  • ダイヤルに表示されている最大の数字を確認します
  • Kinu M68では9です
Kinu M68の調整ダイヤルのクローズアップ
開始番号と最大の数字は、実物のダイヤルからそのまま読み取ります。
「最大数字」に9を入力
表示されている最大の数字を「最大数字」に入力します(9)。

3. 数字間のクリックを設定する

  • 数字と数字の間にクリックや線があるかを確認します
  • 通常は、数字の入った大きな目盛りの間にある小さな線です
  • Kinu M68は、数字と数字の間に4クリックあります
「クリック」をオンにし、「数字間のクリック数」を4に設定
「クリック」をオンにして、「数字間のクリック数」を4に設定します。

4. 回転の仕様を確認する

グラインダーによって、次のような違いがあります。

  • 0の手前にストッパーがある
  • 何回転かしたあと、決まっていない位置で止まる
  • Kinu M68のように、刃が外れるまで回り続ける

回り続けるグラインダーの場合は、実際に使える最も粗い設定を自分で決める必要があります。

  • 私の場合、3回転・5数字・0クリックで、粒子が実用にならないほど大きくなりました
  • その位置を最も粗い設定としました

OmniとParticle Analysis Coasterが検出できる粒子は2500ミクロンまでです。それより大きいものはノイズとして扱われ、無視されるので、その先を測っても意味がありません。ストッパーのないグラインダーでは、挽き目を粗くしながら測定を続け、コールドブリューにも使わないと思えるほど粒子が大きくなった位置を、最も粗い設定とします。

実用できる粗挽きと、粗すぎる粉の比較
まだ抽出に使える粉と、実用の範囲を越えた粉。右側の山のような粒子になったら、そこが粗い側の限界です。

5. 総ポジション数を入力する

「回転」の下に、実際に使えるポジションの総数を入力します。これで、グラインダーの終点がCoffeeOSに設定されます。

  • このグラインダーでは175ポジションです
「総ポジション数」に175を入力
「総ポジション数」を入力します(175)。

総ポジション数とは、最も細かい設定から最も粗い設定までのクリックの総数です。Kinu M68で175になる計算と、中間点を実際の設定に置き換える方法を下の図に示します。

回転、数字、クリックを合計して175ポジションになる仕組みの図
Kinu M68のポジションの数え方と、中間の設定の求め方。
回転・数字・クリックを選ぶホイールセレクター
ホイールで回転、数字、クリックを指定すると、任意のポジションに移動できます。ツールコントローラーにクリック数を入力しても同じです。

パート2:挽き目のカーブを測定する

グラインダーの仕様を登録したら、いくつかの設定で粒度を測定して粒度カーブを作ります。残りの設定はCoffeeOSが補完します。

グラインダーカーブの測定

正確なグラインダーカーブを得るには、粒度をできるだけ精密に測定します。

粒度にはばらつきがあるため、D50を使います。

  • 粒子の50%がそれより大きく、50%がそれより小さくなる値です

すべての測定をパーティクルアナライザーで行えば、「完了」を押したときに最終的なD50の値が自動で入力されます。

6. 粒度を測定する

最も細かい設定から始めます。

  • DiFluid OmniまたはParticle Analysis Coasterを使います
  • コーヒー豆を1粒丸ごと挽きます
  • 微粉から大きな粒子まで、グラインダーから出てきた粉をすべて測定し、分布全体をとらえます
「測定を追加」ボタンが表示されたパーティクルアナライザー
パーティクルアナライザーで「測定を追加」をタップして測定します。追加した測定の回数はカウンターに表示されます。

測定の回数とその理由

1回の測定でも分布の形はすぐにつかめ、サンプルがよく混ざっていれば粒子の広がりも妥当に表れます。ただし、1回では分布全体をとらえきれないため、D50が実際の値から大きくずれることがあります。測定を重ねるごとに、結果は絞り込まれていきます。グラインダーの設定では、1つの設定につき約10回の測定を目安にしてください。

10回分の測定に足りる量のコーヒーを挽きます。この例では、豆1粒をすべて測定するのに11回かかりました。グラインダー内に数グラムの粉が残る機種では、始める前に、より多くのコーヒーを挽いておく必要があります。

Omniを使う場合は、1回の測定に使う粉を少なめにします。測定のたびに分析ユニットの表面を確認し、粒子が均一に広がっているかを確かめてください。目に見えるダマがあると、その測定のD50が本来より高く出ます。エスプレッソの場合は、ブラシでダマをほぐし、自動分散機能は使わないでください。非常に粗い挽き目の場合は、大きな粒子が端に飛ばされて視野から外れ、微粉だけが写っている状態になっていないかを確認します。Omniの自動分散が最もよく機能するのは、中細挽きから中粗挽きの範囲です。

Omniの自動分散で粉が台全体に広がった様子
Omniの自動分散は、測定前に粉を台全体へ均一に広げます。測定のたびにダマがないか確認してください。

Omniかコースターか

この作業にOmniは必須ではありません。DiFluid Particle Analysis Coasterでも同じように測定できます。粉をコースター全体に均一に広げ、パーティクルアナライザーを同じ手順で使えば、同じD50が得られます。コースターでも、1つの設定につき約10回測定してください。

粉を広げたParticle Analysis CoasterをCoffeeOSで測定している様子
使用中のParticle Analysis Coaster。表面に広げた粉を、CoffeeOSのパーティクルアナライザーで測定します。

各設定を記録する

最も細かい設定の粒度分布の結果、D50 274ミクロン
最も細かい設定の結果(M68 0,0,0)。D50(274 µm)を記録します。
D50を保存する「最細挽き」の欄
最も細かい設定のD50を保存する「最細挽き」の欄。

次の設定でも、同じ手順を繰り返します。

  • 中間の設定、ポジション88
中間の設定の粒度分布の結果、D50 664ミクロン
中間の設定の結果(M68 1,7,3)。D50(664 µm)を記録します。
  • 最も粗い設定、ポジション175(3回転、5数字、0クリック)
最も粗い設定の粒度分布の結果、D50 1083ミクロン
最も粗い設定の結果(M68 3,5,0)。D50(1083 µm)を記録します。

7. 設定を完了する

  • 「完了」を押します
  • これでグラインダーの設定は完了です
  • 「カーブ」をタップすると、グラインダーの粒度カーブが表示されます
完成した挽き目と粒度のカーブ
挽き目と粒度のカーブ。この例は、この手順で扱った3つの設定だけでなく、多数の設定を測定して作成したものです。

測定点が多いほど、カーブは実際の姿に近づきます。挽き目を粗くしていっても、コーヒーは均一には割れません。そのため実際の線は設定と設定の間でまっすぐにはならず、曲がります。上の3つの測定ですぐに使えるカーブができ、測定する設定を1つ増やすごとに、その曲がりがひとつずつ確かなものになります。

下部のツールコントローラーを展開すると、すべての設定を順にたどり、それぞれの粒度を確認できます。

各挽き目の設定と粒度を一覧表示したツールコントローラー
ツールコントローラーには、各挽き目の設定と、測定した粒度が一覧表示されます。

グラインダーデータの活用

  • このグラインダーを、グラインダーコンバーターで使えるようになります
  • 異なるグラインダー同士で、同等の挽き目の設定を合わせられます
グラインダーコンバーターの「グラインダーマネージャー」タブに表示されたグラインダー
グラインダーは、ほかのグラインダーと並んで、グラインダーコンバーターの「グラインダーマネージャー」タブに表示されます。

さらに精度を高めるには

  • 挽き目の設定を追加で測定します
  • 測定点を増やすほど、カーブの精度が上がります

いくつかの点を測定したら、カーブ画面下部のツールコントローラーで「自動更新」をタップします。CoffeeOSが周辺の設定を再計算するので、すべてのポジションを手作業で測定する必要はありません。

ツールコントローラーの「自動更新」ボタン
「自動更新」は、画面下部のツールコントローラーにあります。

「自動更新」で間を埋められるのは、測定した点が、細かい側から粗い側へ順に大きくなっている場合だけです。

測定には、最初から最後まで同じ一般的なコーヒーを使ってください。豆や焙煎度が違うと密度も割れ方も変わり、カーブがゆがみます。非常に高い精度が必要な場合は、挽く豆の焙煎度と密度ごとに別のグラインダープロファイルを作成してください。これらも分布を変えるためです。

値の並びには筋が通っている必要があります。細かい設定で235ミクロン、そこから数クリック粗くした設定で230ミクロンと出た場合、値が逆行しているため、「自動更新」はその間を計算できません。

この手順で、すぐに使えるカーブが手に入ります。精度は、あとから少しずつ高めていけます。